よりよい介護保険にするために

◯24番(森戸洋子議員) 次に、よりよい介護保険制度にするためにを伺います。

 厚生労働省と政府は、介護保険の制度を来年度から変更する法案を、先の通常国会で可決いたしました。

今回の改定の中心点は、

一つは、これまで軽度と言われた要支援1、2の訪問介護と通所介護を保険給付から外して、地域支援事業に移行させること。

二つ目には、所得によって利用料を2割に引き上げること。

三つ目には、特別養護老人ホームの入所対象は介護度3以上とすること。

四つ目には、低所得者でも、一定の所得や預貯金があれば、施設の居住費と食費の助成は行わないことなどが中心点であります。

 また、今回初めて、保険料の軽減措置に公費が支出されるようになったというのも、これも注目するところであります。

 こうした改定に対して、現場を始め、東京都の福祉保健部長会からも厳しい批判の声が、昨年、挙げられました。東京都の福祉保険部長会議は、昨年11月に厚生労働省充てに緊急提言を行いました。この中でも、次のように述べています。

 介護保険制度を持続可能な制度にするための改正は歓迎するが、現在、検討されている見直し案は、実際に介護保険制度を運営する私たちと、現在及び将来、利用する国民に不安と懸念を抱かせる部分が少なくない。性急な見直しは、被保険者である国民には不安を、市区町村や介護保険事業者には業務量の増加と混乱をもたらしかねないとして、慎重な対応を求めてまいりました。そういうことが、私たちの情報で入っております。

 まず、概略を伺いたいんですが、今回の中心は、要支援1、2の利用者の訪問介護と通所介護を別建てにする内容であります。厚生労働省は、全国一律のサービスから市町村が地域の実情に応じて行う支援に変わることで、より効果的なサービスを実現できると説明をするとともに、要支援者の介護サービスは既存の介護事業者が行うので、何も変わらないという主張をしています。

 そこで、どのように変わるのか、若干、簡単に説明したいと思います。資料を配れなかったので申し訳ないんですが、今までは、利用者が市町村の窓口、もしくは地域包括支援センターに行き、要介護認定申請を行って、医師の意見書、認定調査で要介護認定が行われるということだったんですが、今度はこの下になって、市町村の窓口に行くとチェックリストで30問ぐらいの質問に答えます。ここで介護保険が必要かどうかが振り分けられ、必要だという方は、改めて要介護認定調査を行い、要介護認定を受けるということになるわけです。

 この要支援1、2となっていた方は、今までは介護予防サービスの中で、介護予防の通所訓練と訪問介護、これが受けられてきたわけですが、今度は、この下のピンク色にあるように、この介護予防サービスから外されて、総合事業という、この右端にあるんですが、総合事業という中の訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービス、これらに振り分けられるということになっていくわけです。

 そうなると、小金井市で、この対象者がどのぐらいかということで、資料を提出していただきましたが、要介護認定者の30%が、この介護保険給付のサービスから外されていくということになっていくわけですね。ちょっと、簡単に説明をしたわけですけれども、国は、この要支援の訪問介護や通所介護を置き換えるわけですが、現行制度のままなら、要支援者向けの給付費が自然増、毎年5から6%のペースで増えていくわけですけれども、これを後期高齢者の人口の伸び率に抑え込むという方針を掲げています。

 3点伺いますが、

①厚生労働省令には、単なる努力目標ではなく、全国市町村に、この後期高齢者人口の伸び率に抑え込むという方針が義務付けとなってきていると思うんですが、そういうことで良いかどうか。

 

②第6期計画以後の計画は、これまで3年ごとだったわけですが、これが10年間、2025年までの見通しを持って、中長期的な施策の展開を図ることになっていますが、市としてはどう取り組むのか。

③今回の制度で地域ケア会議が創設されます。地域全体で高齢者を支えるネットワーク作りを目的に設置されるものですが、今まで、法律では、作っても作らなくても良いとなっていたのが、努力義務規定とされています。この間、各地でモデル事業が行われました。私も、ある都内のモデル地区の実際の話を伺いましたが、介護サービスから卒業を求められるケースが生まれています。要支援者や軽度介護者に対する保険給付の在り方が問題になっているわけですけれども、要支援者が地域包括支援センターの職員から、あなたはそれだけ元気なら、サービスを使うのではなくて、あなたがボランティアになってはどうかと言われて、ケアプランの変更を求められるということが、実際に起こっているわけです。個々のケアマネジメントに地域ケア会議が介入することがあってはならないと思うわけですが、小金井市ではどのようになっているのか伺います。

◯介護福祉課長(高橋美月 それでは、3点のご質問を頂きました。1点ずつお答えさせていただきたいと思います。

 最初の、厚生労働省の目標の義務付けという点でございます。地域支援事業につきましては、従前から費用に関する上限設定というものがございます。改正後において、この上限設定について、二つの区分で上限管理をすることになると言われております。その区分の一つに総合事業が挙げられているところでございます。

 上限額につきましては、総合事業開始の前年度の移行対象の介護予防サービス費用に当該市町村の直近3か年平均の75歳以上の高齢者伸び率を掛けて算出することが基本とされています。

 一方で、総合事業の開始年度ごとに、経過的な考え方や計算式による上限を超える場合についての、個別に判断する枠組みを設けることなどが示されているところです。

 小金井市の75歳以上人口の伸びや予防介護サービスの地域支援事業への移行分の費用の伸びも考慮に入れながら、長期的な視点で、効果の上がる地域支援事業の組み立てを考える必要があると考えてございます。

 2点目でございます。第6期計画以降の計画につきまして、2025年までを視野に入れて、中長期的な施策の展開を図ることとなっているということですが、市としての取組についてのご質問を頂きました。先ほど、議員の方からご紹介があったとおりに、現行の制度でいけば、費用の伸びについては、大体、5から6%の全国的な伸びを勘案しているということで、これを3年ごとに、地域支援事業に位置付けられた重点項目等を段階的に実現していくことにより、地域包括ケアシステムを作り上げることで、認定に至らない高齢者を増加させて、住民主体の支え合い体制の担い手など、支援をする側に回っていただく、その活動自体が本人の介護予防につながるような良い循環の仕組み作りを進めるということが求められていると思います。

 結果的に、2025年に、介護保険費用の効率化を図ること、介護保険料の伸びの抑制ができるような取組を、3年ごとの計画に組み込んでいくような形になるかと考えているところでございます。

 3点目、地域ケア会議についてでございます。地域ケア会議につきましても、今回の時期の介護保険制度の改正の中で、地域包括ケアシステムを確立させていくための一つの取組としての位置付けがございます。本市におきましては、今年の6月に、従来、各地域包括支援センターで開催していた高齢者自立支援ネットワーク会議というものの事業に関する要綱を全面改正し、地域の自治会、町会や老人クラブ、民生委員などの方に参加していただいていた、地域の顔の見える関係作りのネットワーク作りを行ってきた会議を地域ケア会議に見直す方向で考えて、要綱を作成したところです。現在、順次開催を進めているところですが、内容的には、大きく段階を持っておりまして、一つが、個別の地域ケア会議、二つ目が小地域ケア会議、三つ目が地域ケア会議という形で行っております。先ほど話題に上がったものは、個別の地域ケア会議と呼ばれる、個人の支援が必要な方を支援している専門職であるとか、また、ここが一つのポイントなんですが、その方の住んでいらっしゃる地域にいらっしゃって、その方を支援できる地域の方にも参加をしていただいて、フォーマルな介護保険制度等の支援に加えて、地域の方で見守り等の支援をしていただける部分がないかを情報共有をするような場としての設定でございます。

 また、そのような個別のケア会議を重ねて、地域での課題が積み上げられた場合に、それを、その地域の中で、課題について検討したり、いろいろな情報共有をするような会議を、小地域ケア会議の方へ上げていくような形になるかと思います。

 また、小金井市内でそれぞれの地域で積み上げた課題を、最終的には、市の施策として組み込んでいけるように、地域ケア会議という市全体レベルの会議というものを持っているような状況でございます。

 先ほど、ケアマネジメントに対する介入というお話がございましたが、あくまで目的は、地域での支援を上手に組み込んでいくためのものと考えておりますし、その会議の中での話の情報から、より良いケアプランを立てることはあっても、その場で何かケアプランを変えるような話ではないと考えております。

◯24番(森戸洋子議員) いろいろ個別にもう動いているなということでありますが、高齢者の生存権と尊厳を守ることができるかどうかが、このケアプランなどでも問われています。そういう点で、これから来年度に向けて準備が始まるわけですが、決して、介護保険外しがないようにしていただきたいということを要望いたします。

 次に、更に個別具体的に、介護保険制度の市民が利用しやすいものになるようにということで伺うんですが、今度、特別養護老人ホームは介護度3以上となっています。一定、制限が付けられているわけですが、それ以下の方でも入れるという条件があるというのは知っていますので、そこの説明は必要ありません。問題は、介護度1、2で特別養護老人ホームの入所から外れる方が出て来ると思うんですが、外れた要介護1、2の高齢者の受皿計画を作るつもりがあるかどうか伺います。

 二つ目に、利用料の負担増についてであります。対象は、年金収入280万円以上で、年間所得160万円以上の層で、小金井市内では、決算の資料を見ますと、26%以上がここに該当しています。政府は、夫婦2人で、妻の収入が79万円、夫が280万円の場合の可処分所得は304万円であると説明していましたが、国会での小池晃参議院議員の追求で、可処分所得は197万円であるという政府のごまかしが暴露されました。利用料が2倍になれば、ますます、介護保険制度は利用できなくなることは明らかです。小金井市として、利用しやすいものになるよう、負担を軽減すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 そして、三つ目には低所得者の問題です。先ほども申し上げましたように、施設に入所している方で、低所得者の方は、居住費と食費の助成制度が補足給付として支給されておりました。例えば、夫が課税の場合は、この補足給付は適用できなくなるということになっています。そのほかに、預貯金とか、それから、収入限定しなかった障害者年金や遺族年金も、今後は収入として扱うということになっているわけですが、例えば、先ほど言った、夫が課税された場合、妻が6万円の年金で、世帯分離している夫が月20万円の収入の場合は、特別養護老人ホームの利用料は一体、どのぐらいに変化するのでしょうか、教えていただきたいと思います。

◯介護福祉課長(高橋美月) まず、特別養護老人ホームの関係でございます。先ほど、ご紹介がありましたとおりに、原則、要介護度3以上の方となっておりまして、そうは言っても、一方で要介護1、2の方であっても、一定の要件にはまる方については入所ができるような制度の設計をすると、国は言っております。

 先ほど、それ以外の方の取組というお話でございました。基本的には、特別養護老人ホームに関しましては、現状でも要介護度1、2の方の入所率というのはとても低いような状況にもございます。やはり、在宅サービスになるのか、その他のサービスになるのかはあるかと思いますが、ケアプランの中で、その方に必要なサービスが提供できるような体制作りを考えていかなければいけないとは考えているところです。

 2点目、利用料の負担増に関するご質問を頂いております。今回の制度改正におきまして、やはり、一定の所得のある方については、利用料が1割から2割ということで、表面上、確かに、利用料が2倍の負担になる方がいらっしゃるというようなことは、とても大きいことではないかという受け止めはしているところでございます。一方で、介護保険の利用料に関しましては、現状におきましても、高額介護サービス費の支給等の負担軽減策というものが、制度上、一定、ございます。今般の制度改正で、負担割合が2割となるような対象の方であっても、その対象全員が2倍の利用負担をするというような状況ではないと考えますので、そのような軽減策も適切にご利用いただけるような体制を組んでいきたいと考えているところでございます。

 それと、モデルケースのお話で、特別養護老人ホーム等の施設の低所得者の方に対する食費、居住費の支給の件でございます。もともと、こちらの制度につきましては、世帯で非課税である方が給付の対象となってございます。今回の改正におきましては、例えば、ご夫婦のうち奥さんが特別養護老人ホーム等に入所されていて、住民票を施設の方に移されているようなケースのことをおっしゃっているかと思っております。その場合、先ほどの設定ですと、だんなさんは課税となっています。奥さんは非課税となっていて、今までは、別世帯ですと、奥さんは非課税の形で、先ほどの食費、居住費の支給が受けられていたというところですが、今般の改正では、夫婦関係も含めて、住民票の扱いが別世帯となっていても、そちらの方は確認をとる対象となりますので、その際は、これまで受けられていた給付の方が受けられなくなりますので、先ほどの、奥さんの年金収入が72万円という設定であれば、6万6,300円の支給分がなくなるというような形で、その部分をご負担いただくような形になるのかと考えているところです。

◯24番(森戸洋子議員) 今、説明があったわけですが、高額介護の給付制度も、見直しで変わるんですね。現役並みが3万7,200円だったのが、4万4,400円に引き上げられるというのが、私の手元の資料でありまして、高額介護給付があるので大丈夫だとおっしゃるんですが、可処分所得197万円という中で、食料費などを考えると、大変、負担も重くなってくるということを言わざるを得ません。

 それから、低所得者の方々の補足給付が後退するというのは、非常に大変なことですよね。利用料が、これは、月6万6,000円上がるということですよね、年間ですか。まあ、そこはいいです。いずれにしても、負担が増えることは明らかなわけです。そうなると、低所得者はもう、施設にはいられなくなって、出ざるを得ないということになり、住まいと介護支援をどう解決していくのかが今後の課題になっていくと考えています。特別養護老人ホームからの追い出しではなくて、負担軽減策を検討するよう、再度、国に要求をしていくべきだと考えます。

 次に、新たな総合事業について伺います。先ほど説明したとおり、要支援1、2の認定を受けた人の通所介護と訪問介護は、新たな総合事業に置き換えられます。ここで4点伺いますが、一つは、介護予防、生活支援サービスについては、四つの選択肢があります。市が直接、サービスを実施するのか、委託による実施なのか、指定事業者による実施なのか、NPOやボランティアによる実施なのか。小金井市としてはどのように進めるつもりなのか、伺います。

 二つ目に、この介護予防、生活支援サービスについては、市町村が利用単価や利用者負担を設定するということになっていますが、どのように設定するおつもりなのでしょうか。介護保険運営協議会などでの検討をされるのか、これまでの費用負担を抑えれば、介護事業所はやっていけなくなるのではないかと懸念がされています。事業所への支援策はあるのでしょうか。

 三つ目に、多様なサービスについて、具体的に何を考えていらっしゃるのか。その受皿をどのようにしていくのか、現時点での市の見解を伺います。政府はしきりに、ボランティアを活用しなさいということをおっしゃいますが、しかし、ボランティアのなり手はなかなかいないというのが実情であります。有償ボランティアということも言われていますが、そうなれば、介護事業所の運営はますます厳しくなります。その点でどう考えていらっしゃるのでしょうか。

 四つ目に、一番重要なのは、これまで要支援1、2の方が、これまで通りのサービスを受け、安心して利用できるサービスになり得るかどうかが問われていると思いますが、その点でどうお考えになっているのか、見解を伺います。

◯介護福祉課長(高橋美月) 新総合事業について、ご質問を頂きました。こちらの新しい介護予防、日常生活支援総合事業につきましては、今年の7月28日に厚生労働省からガイドライン案が示されたところでございます。現在ガイドライン案を精査しながら、新総合事業への移行に伴います、市の行う事務手続きや検討事項等につきまして、検討をしているところでございますが、まだちょっと、具体的なところはお話しできることがない状況でございます。

 実際には、地域包括支援センターや各サービス事業所などの関連団体との協議や、地域支援事業の費用の上限設定、近隣市の移行時期の兼ね合いなど、勘案しながら、先ほどの単価等の問題、またはサービスの内容とその実施方法につきましても考えていかなくてはならないと思っております。

 また、先ほど、利用者にとってはこれまで通りのサービスを受けられるような対応が必要ではないかというようなお話を頂いたところです。地域支援事業の利用につきましても、これまで同様、ケアマネジメントに基づきました、その方にとって適切な支援につなげていく仕組み作りをしなくてはいけないとされておりまして、やはり、介護保険制度の一つの大きな観点である自立支援の観点というものを持って、その人にふさわしいサービス利用の実現をしていくような仕組みづくりが必要と考えているところでございます。

◯24番(森戸洋子議員) 今、4項目質問させていただきました。まあ、ほとんどまだこれからということでありますが、東京都の福祉保健部長会の緊急提言の中でも、地域支援事業に移されることで、両サービスを受けられていた要支援者にとっては、介護保険が実質制度ではなくなる可能性が出てくると指摘されています。また、東京都の福祉保健財団が行った調査でも、次のように述べているんですね。地域ケア会議について、医師や家族の情報不足、要支援者が利用できなくなる訪問介護と通所介護の代替サービスが見つからない状況であり、3年後、見つかるかどうかは分からない。生活支援について、自治会やボランティア、住民の任意組織やNPO、介護予防事業所で実施するとなっているが、その担い手の確保をどうするのか、並大抵ではないと指摘されています。そういう点では、今回の介護保険制度の改定は、まさに、高齢者にとっても、また、介護をサービスする側にとっても、極めてやりづらい内容ではないかと思います。

 最後、本当は地域包括支援センターにも行きたいんですが、時間がありませんので、これはまた別の機会にさせていただきますが、市長の方で、こうした介護保険サービスについてご見解があれば、市長会などでも一定の要望書を出されていると聞いております。見解があれば伺いたいと思います。

◯福祉保健部長(柿崎健一) 今回の制度改正に伴っては、先ほど、森戸議員からもご紹介していただいたとおり、東京都の福祉保健部長会の方から、緊急提言という形で、昨年11月に、確か、部長会の中で決めた内容で提出させていただいております。ただ、国の方では、今後はこういう形で法律の改正をし、やるという形になっておりますので、今後、いろいろなところで、まだいろいろなものが決まっていない状況ではございますけれども、我々とすれば、やっていかざるを得ないのかなと思っておりますので、努力はしていきたいと思っております。

◯24番(森戸洋子議員) やっていかざるを得ないし、努力はしなければいけないということですので、今後、あらゆる場所でこの問題は取り上げていきたいと思っております。

 老人福祉法第2条には、老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきたものとして、かつ、豊富な知識と経験を有するものとして敬愛されるとともに、生き甲斐を持てる、健全で安らかな生活を保障されるものとすると述べています。

 しかし、今回の介護保険制度の改悪は、この理念からもほど遠いと言わざるを得ません。是非、小金井市として、高齢者の権利と尊厳が守られる取組にちからを尽くしていただきたいということを強く求めて、この質問を終わらせていただきます。